中国の公立小学校でのプログラミング授業レポート

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ロボット・プログラミング学習キットKOOV®は日本だけでなく、海外でも使われていることをご存知でしょうか?
今回は、中国の上海閘北成功教育実験小学校でのKOOVを使った授業の見学レポートをご紹介します!

中国の公立小学校でのプログラミング教育

中国の公立小学校では、大きく3つの方法でプログラミング教育が行われています。 1つ目は課外クラブ活動、2つ目は技術やITのカリキュラムの中で、3つ目に学校内での特別コースにて実施しています。

上海閘北成功教育実験小学校では、小学3年生にプログラミングの特別コース(創新科)を設けており、今回はその授業視察の模様をレポートします。

プログラミング授業導入のきっかけ

当学校では2017年末にKOOVを導入し、まずは課外クラブ活動に導入されました。クラブの部員たちはコンテストにも積極に参加しており、第1回開催(2017年)から毎回KOOV Challengeに参加しているほか、中国国内の大会でも優秀な成績を収めています。2019年からは小学3年生を対象に授業でも導入を開始し、教科ではない創新科(日本でいう「総合の時間」)の授業で取り扱っています。授業は週1回のペースで進めており、校長先生としては、KOOVの授業をさらに拡大していくことで学校の特色にしていきたいとの思いをもっておられます。

中国公立小学校でのプログラミング教育

授業について

さっそく、授業の流れを見ていきましょう。授業カリキュラムの作成は担任の先生がおこないます。このクラスでは学習コースの要素をうまく抽出・ミックスし、独自の内容を加えながらカリキュラムを作成していました。授業は週1コマ×45分、年間で合計32コマのカリキュラムです。1クラス30人ほどの生徒を2〜3人ずつのグループに分け、グループごとにノートパソコン1台とKOOVの1キットを利用します。

今回見学したのは年間32コマの中でもちょうど真ん中ほどにあたる15回目の授業でした。

15回目の授業の目的は下記のとおりです。

  • サーボモーターを同時に動かすプログラムを学ぶ
  • ブザーを鳴らしながらサーボモーターを動かすにはどのようなプログラムを作れば良いかを学ぶ

上記の内容はKOOVアプリにある[学習コース]→[はじめてのロボットレシピ]にある「ペンギン」のミッションにあたります。

 

KOOVを使ったプログラミング授業は多目的活動室で行われていました。

 先生はあらかじめ「オレンジ」という名のティーチングロボット(模範作例、下記写真)を準備していました。目は2つのLEDライトからなり、首は赤外線センサー、腕はサーボモーターで構成されています。 本体はDCモーターとKOOVコアで構成されています。

「オレンジ」という名のティーチングロボット(模範作例)

教室内には72インチの電子黒板が設置されており、 授業が開始すると、先生がスクリーンにあえて不完全なプログラムを投影し、生徒たちに「デバッグ」の方法を講義していきます。 具体的には、プログラムが完成したときに想定されるティーチングロボット「オレンジ」の行動を想像させながら、どのようなプログラムを追加すべきかを問いかけます。

その後、生徒たちもプログラムをつくり、各自のテーブルの上に用意されているロボット「リトルオレンジ」に転送し、自分たちの考えを検証する活動を行います。

KOOV中国公立小学校での授業の様子4

 

デバッグの課題を終えると、次に、先生から生徒達に対して、ブザーで音楽を鳴らすプログラムとサーボモーターの動作が設定されたプログラムが渡されました。どうやらブザーで音楽を鳴らしながらサーボモーターを動かすという課題のようです。

KOOV中国公立小学校での授業の様子3

担任の先生コメント:「カリキュラムの初期ではKOOVアプリの学習コースにあるような電子パーツの使い方やロボットを作り上げることをストーリー通りに進めていきますが、今回実施した授業は、あえて不完全な状態のプログラムのデバッグを経験したり、プログラムのひな形を用いてチーム内での会話を通じて意図する動きを与えるような活動を行っています。」

KOOV中国公立小学校での授業の様子KOOV中国公立小学校での授業の様子2

プログラミング授業視察を通して

2018年~2019年に開催されたKOOV Challengeでは日本と中国の子どもたちが一同に会して競技を行いましたが(2020年以降はオンライン開催)、中国の子どもたちは個人部門でのはつらつとしたプレゼンテーションもさることながら、チーム競技部門でのスピーディーかつ熱狂的な取り組みを如何なく発揮していました。今回視察した授業でも非常に熱気溢れる取り組みが行われており、まさに普段の活動の延長上にKOOV Challengeが位置していることに喜びを感じ、改めて私達ソニー・グローバルエデュケーションもより多くの子どもたちにKOOVを通じて熱中する機会を提供していくことにやりがいを感じることができました。

KOOV中国公立小学校での授業の様子8

ソニー・グローバルエデュケーションの プログラミング教育

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